Hajime's blog.

日々の出来事(随筆)を投稿します。

ニューヨークの怪物

超絶短編ホラー小説:B級映画並みの物語:「ニューヨークの怪物」
 
 
ケンは苦労して探した結果、ようやく以前のアパートを確保することができた。新しいスタートを切るのが待ち遠しい。荷物を降ろし、片付けながら、彼は幸せな歌を口ずさんだ。しかし、そんなことはどうでもいい。ケンはこのアパートでの新しい生活に興奮していた。
 
夜が明けて、ケンは疲れを感じた。寝る前にビールを飲んで、テレビを見ようと思った。1杯のビールが何杯も進み、気がつくとケンは早くも眠っていた。ところが、寝室の外から聞こえる奇妙な音で目が覚めた。しばらく横になって、その音の正体を探ろうとした。
 
突然、その音が大きくなり、ケンはそれが自分のバルコニーから聞こえてくることに気づいた。彼はベッドから起き上がり、窓際まで歩いていった。ゆっくりとカーテンを引くと、そこには血の気が引くような光景が広がっていた。
 
バルコニーには、ケンが今まで見たこともないような生き物がいた。背は高く、7フィート(2メートル)近くあり、骨ばった長い腕は鋭い爪で終わっていた。目は真っ赤に光り、皮膚は病的な緑色をしていた。その生き物の頭はほとんど人間に似ていたが、口からは鋭い歯が突き出ていた。
 
ケンは自分が見ているものを信じることができなかった。彼はまだ眠っているのだと思い、目をこすった。しかし、再び目を開けると、その生き物はまだそこにいて、彼を見つめ返していた。ケンの気配を察知したのか、その生き物は大きな声でうなり声をあげた。
 
彼は窓を閉めようとしたが、その生き物はあまりに素早かった。長い爪でケンの腕を掴み、突進してきたのだ。ケンは恐怖で悲鳴を上げ、引き離そうとしたが、生き物の握力はあまりにも強かった。
 
ケンはバルコニーの縁に引きずられながら、彼は死という文字が頭をよぎった。最後の手段として、ケンは手を伸ばし、近くにあったランプを掴んで、そのランプを生き物の頭に向けて振り下ろした。
 
その生物は耳をつんざくような悲鳴を上げ、ケンをその手から放した。ケンは迷うことなく部屋を出て階段を下り、アパートから遠く離れるまで立ち止まることはなかった。
 
ケンはそのアパートには二度と戻らなかった。彼はその生き物のことを二度と口にしなかったが、その夜の記憶は彼の残りの人生を悩ませた。
 
あの夜から、ケンは自分が見たものを受け入れるのに苦労するようになった。悪夢にうなされ、冷や汗をかきながら目を覚まし、自分が体験した恐怖がよみがえる。しかし、心の底では、自分が遭遇したものはこの世のものではないと思っていた。
 
月日は流れ、ケンはゆっくりと自分の人生を立て直し始めた。新しい街に移り、新しい仕事に就き、新しい友達もできた。しかし、あの夜の記憶は消えず、彼は自分が見たものを決して忘れることはできないと思っていた。
 
ある日、ケンのもとに奇妙な手紙が届いた。宛名が書かれていたが、返送先が書かれていなかった。興味本位で開封し、中身を読んでみると......。背筋が凍るような短い手紙であった。
 
手紙には、「あの夜、君が何を見たかも、君がどこにいるかも知っている。私から逃げられると思わないでください。必ず見つけて、始めたことをやり遂げる」と書かれていました。
 
ケンは額に冷や汗をかくのを感じた。誰が手紙を出したのか、なぜ脅されているのか、彼にはわからなかった。しかし、不安な気持ちは消えない。
 
時間がたつにつれ、手紙の脅威はケンの頭から徐々に消えていった。しかしある夜、ベッドに横たわると、以前のアパートで聞いたのと同じ音が聞こえてきた。彼は、あの生き物が自分を見つけたのだと思い、凍り付いた。彼は耳を澄ませ、音が大きくなるにつれて、早く行動しなければならないと思った。
 
ケンは近くにあった野球のバットを手に取り、玄関に向かった。音は外から聞こえてきて、何があるのかわからないが、それに立ち向かわなければならないと思った。深呼吸をして、ドアを開け、外に出た。
 
その時、彼は血の気が引くような光景を目にした。目の前に立っていたのは、以前住んでいたアパートの生物だったのだ。その目は赤く光り、皮膚は病的な緑色をしている。爪が伸びていて、今にも襲いかかりそうだ。
 
ケンは野球のバットを振り上げ、身を守る準備をした。しかし、クリーチャー(生物)が突進してきた瞬間、どこからともなく謎の集団が現れた。彼らは奇妙なローブを身にまとい、顔には奇妙なシンボルが描かれていた。
 
その生き物は、集団に向かってうなりながら、その足取りを止めた。彼らはその生き物を恐れているようには見えず、代わりに何か呪文を唱えているようだった。
 
ゆっくりと、その生き物は集団を恐れているかのように、後ずさりしはじめた。ケンは、その生き物が夜の街に消えていくのを驚きをもって見ていた。
 
一行はケンに向き直り、その中の一人が話した。"君はもう安全だよ。私たちはずっとあなたを見てきたし、あの生き物があなたを迎えに来ることも知っていた。でも、私たちはあなたを守るためにここにいるんです。"
 
ケンはショックを受けていた。この人たちが誰なのか、なぜ自分を守ってくれているのかはわからなかったが、彼は感謝していた。危うく死を免れたのは、この謎の保護者たちのおかげだと思ったからだ。
 
その日以来、ケンは自分が見た恐怖を決して忘れることはないだろうと思ったが、決して本当の意味で孤独ではないことも知っていた。謎の保護者はいつも見ていて、何があっても彼を守ってくれるのだ。
 
時が経つにつれ、ケンはプロテクターズ(保護者達)とその任務について詳しく知るようになった。彼らは何世紀も前から存在する秘密結社で、影に潜む生き物から世界の安全を守ることを使命としていた。
 
ケンは彼らの活動に魅了され、自分にも何かできることはないかと、もっと学びたいと思うようになった。プロテクターたちは彼の可能性を見いだし、古代の儀式や魔除けの呪文について教え、彼らのやり方で彼を訓練し始めた。
 
最初、ケンは躊躇していた。それまで超常現象など信じていなかったが、運命の夜の出来事で彼は変わった。しかし、あの運命的な夜の出来事が彼を変えたのだ。
 
保護者たちの指導のもと、ケンは自分の技術を磨き始めた。古文書の読み方、儀式の方法、さまざまな魔法の道具の使い方を学んだ。そして、自分が影に潜む恐怖から世界を守るために働いているのだという、これまでに感じたことのない目的意識を持つようになった。
 
しかし、新しい知識と技術を得たとはいえ、ケンにはまだ学ぶべきことがたくさんある。彼は、プロテクターたちとともに訓練を続け、人里離れた場所に行き、想像を絶するような恐ろしい生き物たちと対峙してきた。
 
ケンはプロテクターと一緒にエジプトの砂漠から日本の森まで、世界中を冒険した。悪魔や吸血鬼、さらにはラブクラフトのような、言葉では言い表せないような恐怖にも立ち向かった。
 
そんな中でも、ケンは揺るぎない意志を持ち続けました。自分には生きる目的があることを知り、それをやり遂げる決意をしたのだ。プロテクターたちの助けを借りて、彼は自分の天職を見つけ、死ぬまで闇の勢力と戦い続けるだろう。