Hajime's blog.

日々の出来事(随筆)を投稿します。

性同一性障害・私はレディボーイ

テーマ:LGBTQ
主人公:マリー
登場人物:差別主義者のマイケル
あらすじ:マリーはレディボーイだ、それを隠さず生きてきた。しかし社会は拒絶した、就職できず生活は困難だった。マリーはレディボーイが多く働くクラブを見つけ、そこで仕事をすることになった。次第に人気者になり大金を得て生活も楽になった。ある日、マイケルという客が来た、彼は差別主義者でゲイやレディボーイが嫌いだった。マイケルは毎日のように来て罵声を浴びせ、ストーカーをするようになった。マイケルはマリーが住んでいるアパートを知ると毎日のように「気持ち悪い」と書いた手紙を送り、マリーはノイローゼになった。警察に相談しようと思ったが、マイケルを逆上させると思いやめた。ある日、マリーはマイケルをアパートに招待した。驚く行動だが、お互いに拒絶していては何も解決しないと思ったからだ。マリーは自分の人生と性同一性障害のことを長い時間をかけて説明した。それを聞いてマイケルの気持ちも変わっていった.......。

 

 

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マリーは、自分が他の子供たちとは違うということをずっと知っていた。彼女は男性として生まれたが、幼い頃からドレスを着たり、人形で遊んだりする方が心地よかったのだ。両親はそれを理解せず、彼女に男の子のように振る舞うことを強要しようとしたが、それは決して正しいとは思えなかった。
 
年頃になったマリーは、もっと受け入れてくれるコミュニティがあるのではと思い、都会へ引っ越した。化粧をし、女性らしい服を着て、レディボーイとして生活し始めた。小さなアパートを見つけ、仕事を探そうとしたが、誰も雇ってはくれなかった。性自認を理由に拒絶され続けた。
 
ある日、マリーは、レディボーイが多く働くクラブを偶然見つけた。彼女は、自分の種族を見つけたような気がした。そこで働き始めたマリーは、次第に人気パフォーマーの仲間入りを果たした。大金を稼ぎ、人生で初めて自分の将来を自分でコントロールできるようになったと感じた。
 
しかし、そこにマイケルが現れた。彼はクラブの常連客だったが、他の客とは違っていた。彼は大声で、不愉快で、レディボーイたちに公然と敵対していた。大声で怒鳴ったり、名前を呼んだり、時には物を投げつけたりしていた。
 
マリーはマイケルを避けようとしたが、彼は彼女に執着しているようだった。彼は毎日来て、最前列に座り、彼女を侮辱するような言葉を浴びせるようになった。彼女は彼を無視しようとしたが、常に非難されるのでは、演奏するのも難しい。
 
マイケルがマリーの住まいを知ってから、事態はさらに悪化した。彼は毎日彼女に手紙を送り始め、彼女がいかに「嫌な奴」であるかを伝え、彼女を傷つけると脅した。マリーは恐怖に怯えた。どうすればいいのかわからなかった。
 
最初は警察を呼ぼうと思ったが、事態を悪化させるだけだと恐れた。マイケルが暴力を振るうことは知っていたし、彼を刺激したくはなかった。しかし、このまま怯えながら生活することもできない。
 
ある日、マリーはあることを思いついた。彼女はマイケルを自分のアパートに招待することにしたのだ。危険な行動だが、彼と直接会って話せば、変人ではなく人間として見てくれるかもしれないと期待したのだ。
 
驚いたことに、マイケルは来ることに同意した。彼は到着すると、緊張して身構えた。しかし、マリーは怒鳴ったり、自分を守ろうとはしなかった。マイケルを座らせて、自分の話をした。
 
彼女は、自分が間違った体にいるようにいつも感じていたこと、社会から拒絶されることがどれほどつらいことか、そして、受け入れられることを見つけるためにどれほど苦労してきたかを説明しました。彼女は、多くのLGBTQの人たちが日々直面している差別や暴力について話しました。
 
マリーが話すうちに、マイケルの怒りは薄れていった。彼は彼女をステレオタイプではなく、一人の人間として見るようになった。そして、自分がどれだけ彼女を苦しめてきたかを思い知り、恥ずかしくなった。
 
結局、マイケルはマリーに謝った。彼女が経験したことは理解できないが、学ぶ意欲はあると言った。彼は再びクラブに通い始めたが、今度は違った。より敬意を払い、心を開くようになった。そして、他のレディボーイたちとも友達になった。
 
マリーは安心し、感謝した。マイケルの変身は小さな一歩に過ぎないことは分かっていたが、希望を与えてくれた。いつか、社会が自分のような人間を受け入れてくれる日が来るかもしれない。そして、いつの日か、恐れることなく生きられる日が来るかもしれない。